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ドッグフードの癌用ってあるの?愛犬が癌になってしまったらどうすれば良い?

管理人

ドッグフードは癌になったらどうすれば良いのかな。

もし愛犬が「癌」と診断されたら、、癌の犬のドッグフードって気を付けたほうがいいことはあるんですか?

獣医師G

そうだね、フードで癌を治すことはできないけれど、癌の進行を防いだり、癌があっても元気で生活するためには、フードを考えてあげることは大切だね。

管理人

具体的にどんなことに気をつけたらいいんですか?

獣医師G

まずは、とにかく栄養状態を悪化させないことが大切かな。癌があると食欲も落ちてしまうし、がんが栄養を奪っちゃうから、どんどん痩せて栄養不良になってしまうことが多いんだよね。そうなるとがんと闘う免疫力が落ちちゃったり、全身状態も悪化して「QOL(生活の質)」が下がってしまうからね。

管理人

そうなんですね。やっぱりフードは大切ですよね。ドッグフードの種類はどんなものがいいんですか?

獣医師G

癌は炭水化物(糖質)を栄養源として成長することがわかっているんだ。できれば癌に使われやすい炭水化物を減らして、脂肪分からカロリーを取るようにするといいね。そうすると、癌にエネルギーを奪われることなく、しっかり栄養状態を保てることが多いんだ。あとは、免疫力を上げる「ω3脂肪酸」や「抗酸化物質」などの成分もがんと闘うためには大切だね。

犬の寿命が延びるとともに増えてきている病気があります。それが癌(がん)です。現在、犬の死因のナンバーワンになっている癌は、時に完治できないこともあり、うまく付き合っていかないといけないこともあります。

癌という響きは非常に怖いですが、犬の癌は乳がんなどを筆頭に完治できるものも多いので、癌と診断されたらまずはしっかり治療してもらうことが大切です。しかし、治療での完治が難しい場合や癌の再発の予防のためには、お家で与えるフードを考えてあげることも大切です。今回は、癌と診断された場合にどんなことに気を付けてフードを与えたらいいのか、一緒に考えてみましょう。

癌を持つ犬に控えたい栄養成分と与えたい栄養成分

癌を持つ犬に与えるフードの成分には、控えた方がいい成分と積極的に与えたい成分があります。まずは、フードを選ぶ際に注目してほしい栄養成分をお教えしましょう。

がん細胞の栄養となる炭水化物を減らして脂肪分を増やす

がん細胞は炭水化物(糖質)を栄養源として成長し、脂肪分はエネルギー源としてうまく利用することができないことがわかっています。つまり、癌にかかってしまった場合は、できるだけ炭水化物が少なく、脂肪分の多いご飯を与えることが大切なのです。

ただし、食事中の脂肪分を増やしすぎると消化不良を起こしたり、すい臓に負担をかけてしまうこともあります。お腹の調子を見ながら、炭水化物を減らし、脂肪分を増やしていくようにしましょう。

炭水化物である米やパン、イモなどはがんの栄養源になりやすい食べ物になります。人のご飯やおやつを食べる癖がある犬の場合、癌にかかってしまったら、あまり与えないようにしてください。その代わり、脂質やたんぱく質が多い肉類・魚類・乳製品や、ビタミンが豊富な野菜などを与えるようにしましょう。また、犬用のクッキーやケーキなども炭水化物が多いため、それらは控えて、おやつを与えるならジャーキーやチーズなどにした方がいいかもしれません。

抗酸化物質を多く取る

細胞ががん化する原因にはいろいろありますが、一つの原因に「細胞の酸化ダメージ」があります。酸化ダメージとは、活性酸素によって細胞の中のDNAにダメージが起こることで、DNAにエラーが生じて、正常な細胞ががん化してしまう原因となると言われています。

そのため、がんを作らせないためには、活性酸素の働きを弱めることが有効で、そういった働きを持つ「抗酸化物質」が有効だと言われています。抗酸化物質を多く含む抗酸化サプリメントやベリー類(イチゴやラズベリーなど)、キャベツなどは犬も食べることができます。取りすぎもよくはないので主治医の先生と相談して与えてみてもいいでしょう。また、抗酸化成分の含まれるフードなども、癌の再発予防効果が期待できますよ。

免疫力を高めるω3脂肪酸を補充する

私たち人間や犬の体の中では、常にDNAエラーが起きてがん細胞のもとが生まれていますが、そのエラーが起きた細胞は免疫によって排除されていると言われています。また、体で増え続けるがん細胞に対しても、免疫の攻撃で撃退する能力が動物の体にはあるんです。

このエラーが起きた細胞やがん細胞を攻撃する機能を「がん免疫」と呼びますが、このがん免疫が低下することで、がん細胞が増殖しやすい環境が出来上がってしまいます。つまり、免疫を高めてあげることで癌の進行スピードを遅くすることができるんです。

DHAやEPAなどの「ω(オメガ)3脂肪酸」は、炎症を抑えて免疫機能を正常化させるために重要な物質であると考えられています。ω3脂肪酸の多く含まれる魚介を原材料としたドッグフードや、ω3脂肪酸の添加されたフード、ω3脂肪酸サプリメントなどによって免疫機能を高めてあげるのも、がんの進行を防ぐために大切なんですね。

癌に負けない体力をつける

癌の犬の食餌を考える際には、フードの成分も大切ですが、栄養状態を悪化させないことも大切です。

癌性悪液質を防ぐ

がん細胞は非常に活発に細胞分裂し、成長のために大量のエネルギーを使います。そのため、癌を患った犬では、普通にエネルギーを取っていても痩せてしまう「癌性悪液質」と呼ばれる状態に陥ってしまうことも少なくありません。

癌が進行すると、痛みや気持ち悪さなどから食欲を落としてしまう犬も多く、ますます癌性悪液質の状態になりやすくなってしまいます。癌との闘病には体力が重要です。できるだけしっかり栄養分を取ってもらい、癌に負けない体力をつけてあげるようにしましょう。

癌性悪液質を防ぐためには、脂肪分の多いフードを与えるだけでなく、嗜好性の良いフードを与えたり、食欲を維持するような治療も必要です。

ウェットフードや手作り食も考える

食欲が落ちて体重が減ってしまう場合には、おいしく食欲をそそるフードを与えることも大切です。

一般的に、缶詰やパウチなどのウェットフードはドライフードよりも嗜好性が高いです。ドライフードを食べない場合は、ウェットフードを与えてみてもいいでしょう。ウェットフードは電子レンジで少しだけ温めるとにおいが良くなり食べてくれる犬が多いので、温めて与えるようにしてみましょう。

また、ドライフードしか食べない場合はそれをお湯でふやかしてにおいを出してあげることもいいでしょう。また、ドライフードの風味は開封直後から徐々に落ちてきてしまいます。開封直後が最も風味がいいので、できるだけ小袋のフードを購入することも食欲を上げるためには有効なんですよ。

それから、犬は飼い主さんが食べているものを欲しがる傾向もあります。何をしても食べない場合は、玉ねぎなど犬が食べてはいけないものをしっかり把握した上で、手作りフードを与えることを考えてもいいかもしれませんね。

生活の質(QOL)と食欲を維持する治療を

癌が進行するに伴い、全身の倦怠感や癌の痛みによって食欲が落ちてしまう犬も多いです。末期の癌などで手の施しようがない状態になってしまっていても、QOLを維持したり、食欲を上げるための治療はできることがあります。

お家で何をしても食べてくれない場合や、かなりつらそうな場合は動物病院に相談してください。動物病院で痛み止めや点滴などをやってもらうと少し楽になったり、食べてくれるようになることも少なくありません。

癌の犬と暮らす飼い主さんができるフードの選択まとめ

  • 炭水化物を減らして脂肪分を増やしたフード
  • おやつを与えるなら炭水化物ではなく、たんぱく質や脂肪分の多いものを
  • 抗酸化物質・ω3脂肪酸の補給
  • 温めたウェットフード
  • ふやかしたドライフード
  • 開けたてのドライフード(小袋のフード)
  • 手作りフード(犬が食べてはいけないものに注意)

フードでも癌との闘病をサポートしてあげよう

癌を患った犬で最も大切なことは、とにかく栄養状態を落とさないことです。食欲がしっかりある子の場合は、炭水化物を減らして脂肪分を増やすとともに、抗酸化物質やω3脂肪酸などを多く含む食餌を取るようにしましょう。

もし食欲が落ちてしまっている場合は、おいしいご飯を与えることも大切ですし、あまりに食べないのであれば痛み止めや点滴など、食欲が増すような治療をしてもらって食欲を維持することも大切です。

愛犬が癌と戦うことために飼い主さんができることは、癌自体をやっつけるための治療だけではありません。フードを考えて癌が進行しないようにしてあげることや、食欲やQOLを維持できるフードを与えてあげることも大切です。癌自体の治療が難しい場合でも、愛犬が癌と戦い、癌があっても少しでも元気で生活できるような工夫をしてみてくださいね。

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