1. ドッグフードを獣医師が解説【ディアドッグ】
  2. ドッグフードの選び方
  3. ≫子犬のドッグフード【なんで子犬用をあげないといけないの?】

子犬のドッグフード【なんで子犬用をあげないといけないの?】

管理人

なんで子犬には子犬用のドッグフードをあげないといけないの?

獣医師G

大人用と子犬用ではドッグフードに含まれる栄養成分が少し違うんだよ。子犬と大人では必要とする栄養素やエネルギーが違ってくるからね。

管理人

もし、子犬に大人用のドッグフードを与えたらどうなるの?

獣医師G

短期的には何か目に見えて問題になるということはあまり多くはないかな。それでもずっと与えていればタンパク不足などを起こして、骨格や筋肉の成長不良を起こしてしまう可能性もあんだよ。

管理人

じゃあやっぱり子犬には子犬用のドッグフードを与える方が安心ってことだよね。

獣医師G

そうだね。短期的には問題なくても長期的な問題が起こってしまうこともあるから、体の成長のために必要な栄養が入った子犬用のドッグフードを食べさせてあげたいね。

ドッグフードは、子犬用(パピー・ジュニア)・成犬用(アダルト)・高齢犬用(シニア)などに分かれています。これらのフードは、それぞれの成長段階に合わせて必要な栄養素やカロリーを考えて作られています。子犬の時期は大人に比べて必要な栄養素が異なり、それを満たしてくれるのが子犬用のパピーやジュニアといったドッグフードになります。

今回は、子犬と大人に必要な栄養素の違いとその理由、子犬用のドッグフードを選ぶ際の注意点を考えてみましょう!

子犬に必要な栄養素

成犬と子犬で必要な栄養成分は大きくは違いませんが、いくつかの栄養素で違いがあります。成犬は基本的には、体を「維持」するために必要な栄養を摂取するのに対し、子犬は体を維持するだけでなく、骨格や筋肉などを「成長」させるための栄養も追加で必要となります。つまり、子犬用のドッグフードには体を成長させるための栄養素が多めに含まれています。

ここではAAFCO(米国飼料検査官協会)の犬の必要栄養素の基準(参考:http://www.aafco.org/Portals/0/SiteContent/Regulatory/Committees/Model-Bills-and-Regulations/Reports/MBRC_minutes_Attachment_A.pdf)に基づいて、子犬に特に必要な栄養素についてお話をします。

子犬と成犬で必要量の違う主な栄養素の一覧

AAFCOの基準で、子犬と成犬で必要量の違う主な栄養素は右の通りです。

以下に各栄養素の説明をいたします。

カルシウム・リン

カルシウムとリンは骨を作るために必要な栄養素です。大人の子に比べて約2倍必要だと言われています。大人用のフードを食べていると骨格の成長に問題を起こしてしまうかもしれませんね。

鉄・銅

血液の中の赤血球に含まれる成分である「ヘモグロビン」を作るために必要なミネラルです。成長期には体の成長に合わせて赤血球もたくさん必要になるため、大人の約2倍の鉄や銅が必要だと言われています。

ナトリウム

犬のドッグフードには塩分はあまり多く含まれていませんが、成長期には多くのナトリウムが必要となり、塩分(塩化ナトリウム)が多めに含まれています。AAFCOの基準では成犬の必要量が0.08%に対し、成長期の子犬では0.3%必要とされており、成犬に比べ成長期の子犬には多くの塩分が必要であるようですね。

たんぱく質

筋肉を作るために大切なたんぱく質。筋肉だけではなく、骨を作ったり、皮膚や毛の成長のためにも必要になってきます。たんぱく質の必要量は成犬の18%以上に対し、子犬では22.5%以上です。また、たんぱく質のもととなるアミノ酸も、子犬の方が全体的に必要量が多く、種類によっては成犬の倍以上必要となるアミノ酸もあります。

脂質

体のエネルギーを作り出したり、ホルモンを作るのに必要な脂質。口から栄養を取れない場合の非常用のエネルギーにもなります。子犬の体には脂肪がほとんどついていないため、予備のエネルギーが少なく、ご飯を食べれないと低血糖などを引き起こしやすいです。必要なエネルギーを補って、体に蓄えるために重要な脂質は、子犬がたくさん必要とするエネルギーの一つです。成犬で5.5%であるのに対し、子犬では8.5%以上の脂質が必要だと言われています。

子犬用フードの期間

子犬用フードは2~3カ月齢以降でスタート

通常、離乳食を2~3カ月齢まで食べさせるので、それ以降に子犬用フードを食べさせます。パピー用とジュニア用に分けているメーカーもありますが、同じ意味で名付けられているフードが多いです。

成犬用へ切り替える時期は小型犬と大型犬で違う

子犬用フードは成長期に必要な栄養素を含んでいるものですので、成犬用に切り替える時期は成長期が終わったらということになります。成長期の長さは犬の大きさによって違い、小型犬で約10カ月齢、大型犬では長いと約18カ月齢までになるので、その時期を見計らって徐々に成犬用(アダルト)フードに切り替えていきます。通常、フードのパッケージに何歳(何か月)までと書いてあるので、それを参考にしてみてくださいね。

子犬用フードを与える際の注意点

1. カルシウムサプリメントやミルク粉末などは与えない

カルシウムサプリで骨の成長に悪影響の可能性

子犬用の「総合栄養食」(AAFCOの基準を満たしたフード)は、それだけで必要な栄養成分が含まれています。サプリメントによって栄養素やカロリーが過剰になってしまうこともあり、サプリメントやミルクなどは健康への害になる可能性があるので控えた方がいいでしょう。

ペットショップで子犬を購入した人に多いのが、ショップからの指示でカルシウムのサプリメントも飲ませているという人。いまだにカルシウムを取ればとるほど骨の成長に良いと勘違いしているペットショップやブリーダーもいるようですが、大きな間違いなんですよ。

カルシウムを取りすぎると、ミネラルのバランスを崩して骨の成長が悪くなってしまいます。カルシウムサプリメントを与えたり、カルシウム成分の多すぎるフードを食べることで股関節形成不全(現在は股異型性と呼ばれている)の発生率が増えることがわかっています。成長期にはカルシウムは多めに必要ですが、子犬用フードに十分量含まれていますので、サプリメントは必要ありません。

ミルクはカルシウム過剰と肥満の原因

同様に粉末ミルクも必要ありません。粉末ミルクをかけることで、カルシウム過剰になるととにカロリーオーバーになってしまい、肥満の原因になってしまいます。人と同様、子犬のころの肥満は、成犬になってからの肥満の発生率に大きな影響を与えますので、粉末ミルクも控えた方がいいでしょう。ご飯の食べを良くするためにかけている場合は少しずつ減らしていくようにしましょう。

ビオフェルミンなど整腸剤は与えてもよい

ビオフェルミンなどの整腸剤のサプリメントは、すべての子に必要なものではありませんが、与えて害はありません。胃腸の健康に不安があれば与えても問題ないでしょう。

2.小型犬用・大型犬用の区別がある場合は必ず従う

小型犬と大型犬では骨格に大きな差があり、その成長に必要なエネルギーも若干変わってきます。大型犬の子に小型犬用のフードを食べさせていると、骨や関節の異常が出やすくなったり、異常に太ってしまったりします。

骨格は成長期に決まってしまうため、この時期のフードには特に注意を払うようにし、愛犬の体格に合った種類のフードを食べさせるようにしましょう。

3.フードの切り替えは時間をかけて

フードを切り替える際には時間をかけて行う必要があります。2週間以上をかけて徐々に新しいフードを増やしていくと、お腹にやさしいだけでなく、犬が受け入れやすくなります。離乳食からパピーフード、パピーフードからアダルトフードに変えるときは急に変えないようにしましょう。

急に変えると、食欲不振を起こすだけでなく、消化不良による下痢やおう吐の原因になることもありますので注意してくださいね。

参考になったらシェア♡