バーニーズ・マウンテン・ドッグのドッグフードはいらない!?獣医師がすべて解説!

バーニーズ・マウンテン・ドッグには犬種専用フードがないんです。。。
バーニーズを飼っているんですが、フード選びに困っていて。。。

バーニーズ・マウンテン・ドッグは大型犬の人気犬種の代表だけど、日本では犬種専用フードは販売されていないみたいだね。バーニーズのフード選びにはいくつかポイントがあるけれど、まず必要なのは大型犬用を与えること。小型犬の何倍もあるバーニーズに、小型犬のフードを与えてしまうとさすがにまずいよね。

やっぱり小型犬と大型犬ではそれぞれ適切なフードは異なるんですね。それ以外には何かありますか?

バーニーズはその大きな体を支えるために、関節に負担がかかることが多いんだ。関節に優しい成分が入ったフードを与えてあげないといけないね。また、しっかりした筋肉をつけるためにも高品質なたんぱく質を多く含むフードも必要だね。

そうなんですね。やっぱり筋肉や関節が弱くなってしまうとあの体重を支えられないですもんね。

うん、そうだね。他にも皮膚が弱い子も多いから、食物アレルギーなんかにも注意が必要だし、皮膚に優しい成分が入っているフードもおすすめだよ。

そうなんですね。バーニーズのフードには結構いろんなことに注意してあげないといけないですね。

そうなんだ。ただし、最も大切なのは、バーニーズだからこれって決めつけるのではなく、愛犬の体調を見て、愛犬の体質に合うフードを与えてあげることだよ。バーニーズの子でも体質はそれぞれだから、難しいかもしれないけれど愛犬に合うフードを探してあげて欲しいな。
大きな体に美しい3色の長毛が特徴的な外観と人懐こい性格で人気の大型犬、バーニーズ・マウンテン・ドッグ。大きな体ではありますが、リスクの高い病気がいくつかあり、気を付けてあげないといけないこともいろいろある犬種です。
今回はそんなバーニーズ・マウンテン・ドッグのフードについてお話いたします。バーニーズのフード選びのポイントや注意点、フードの量やサイズについて解説しますので、バーニーズの飼い主さんはぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
バーニーズ・マウンテン・ドッグのフード選びのポイント
まずはバーニーズに与えるフード選びのポイントを見ていきましょう。
大型犬用
バーニーズは大型犬の代表犬種であり、その体重は50㎏を超えることも少なくありません。そんな大きなバーニーズと、2㎏にも満たないようなチワワが同じご飯でいいはずはありません。日本には小型犬が多く、普通にペットショップに行くと小型犬用のフードが多く並んでいますが、バーニーズに与える場合は大型犬用と書かれたものを選びましょう。
小型犬用と大型犬用では含まれる栄養成分が大きく異なります。大型犬用は一般的にカロリーが抑えてあり、骨の成長や健康のためにミネラルバランスが考えられているものが多いです。また、しっかり噛んで食べるように粒の大きさが大きくなっているフードも多くなっています。
関節をサポート
体重が重い大型犬は関節への負担が大きく、バーニーズもその例外ではありません。特に股関節に問題を持つ犬も多く、高齢になるとともに慢性関節炎から足腰が弱くなってしまいます。大型犬では一度立てなくなってしまうとその後ずっと介護が必要になることが多く、その重い体重を支えながら行う介護は非常に困難になります。
そこで、若いころから関節をサポートしてくれるような成分を多く含んだフードを与えることが大切です。グルコサミンやコンドロイチン、DHAやEPAなどは関節の炎症を抑えたり、関節軟骨の健康を保って、関節をサポートしてくれる成分です。これらの成分を多く含むフードを与えつつ、若いころから太らせないようにすることも大切です。
筋肉の維持
大きな体を支えるには骨や関節の健全性だけではなく、しっかりした筋肉が必要になります。そのため、バーニーズに与えるフードには高品質なたんぱく質が豊富に含まれていることも大切です。
ドッグフードのたんぱく源は肉や魚などですが、たんぱく源に使われる食材の質はフードの価格に反映されやすくなります。あまり安価なフードを安易に選ばず、信頼できるフードを選ぶようにしましょう。
皮膚にやさしい
バーニーズは大型犬の中でもアレルギーやアトピーが出やすい犬種です。アレルギーやアトピーでは皮膚の痒みや赤み、脱毛などの皮膚症状を伴うことが多いです、
アレルギー性皮膚炎を防ぐためにはその原因となる物質を含まないフードを与える必要があります。今すでに症状が出ている場合は動物病院でアレルギーの検査をしてもらい、それに合ったフードを選ぶようにしましょう。また、皮膚に優しい成分を含むフードに変えるのもいいかもしれません。
バーニーズ・マウンテン・ドッグに与えるフードで気を付ける点のまとめ
目的 | 強化されている成分 |
大型犬用 | カロリー控えめ・大粒・ミネラルバランスなど |
関節をサポート | コンドロイチン・グルコサミン・EPA・DHAなど |
筋肉の維持 | 高品質で十分なたんぱく質 |
皮膚にやさしい | 低アレルゲン、EPA・DHA・ビタミンB/Eなど |
バーニーズ・マウンテン・ドッグの食餌量の目安とドッグフードのサイズ
バーニーズは時に超大型犬に分類されることもある非常に体の大きな犬種です。小さめのメスでは40㎏弱の子もいますが、標準体型では40㎏台になることが多いです。
フードの必要量は体重とフードに含まれるカロリー数によって計算します。バーニーズに与えるフードの量は、下の表を参考にしてみてください。
バーニーズ・マウンテン・ドッグに必要な食餌量の目安(避妊/去勢済、健康な成犬)
体重 | 1日に必要なカロリー | 300kcal/100gのフード | 350kcal/100gのフード | ||
1日のフード | 1ヶ月のフード | 1日のフード | 1ヶ月のフード | ||
38kg | 1,714kcal | 571g | 17kg | 490g | 14.7kg |
42kg | 1,848kcal | 616g | 18.5kg | 528g | 15.8kg |
46kg | 1,978kcal | 660g | 19.8kg | 565g | 17kg |
50㎏ | 2,106kcal | 702g | 21.1kg | 602g | 18.1kg |
この表に示した体重は、現在の体重ではなく標準体重になります。もし、愛犬が肥満ややせ気味の場合には標準体重を推測して当てはめるようにしましょう。標準体重はボディコンディションスコア(BCS)の表を参考にするといいでしょう。
また、この表の中のフードの量はあくまでも目安であり、同じ量を食べていても体重が増える犬もいれば減る犬もいます。定期的に体重を測定したり、体を触って、愛犬の体重の増減を確認しながらフードの量を調節してあげてくださいね。
バーニーズ・マウンテン・ドッグののドッグフードサイズ
ドッグフードは基本的に1か月以内に食べきれる量を買うようにしましょう。ドッグフードの賞味期限はあくまで未開封のものであり、賞味期限内でも開封するとどんどん酸化による品質の劣化が始まります。ドッグフードの酸化は風味の低下だけでなく、成分の変性を起こしてしまうので、せっかく品質の良いフードを買っても、開封後時間がたつと、酸化によって品質は低下してしまいます。
上の表を見ると、バーニーズは1か月で15~21㎏くらいを食べる計算になります。そのため、小さめの子であれば15㎏以下のサイズを、大きい子でも20㎏以下のサイズのフードを選ぶようにしましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグには愛犬の体質に合ったドッグフードを選ぼう
バーニーズには発症しやすい病気がいくつかあり、それらの病気をフードで予防することは大切です。また、小型犬ではなく大型犬に合った栄養成分や粒の大きさのフードを選ぶ必要もあります。ただし、それだけでなく愛犬自身の体質も考えつつ、品質の良いフードを得てあげることが重要です。
- バーニーズに必要な栄養をバランスよく含むフードを選ぶ(AAFCO基準を満たすなど)
- 関節の病気に注意をし、太らせないようにするとともに必要があればサプリメントなども併用する
- 皮膚病がある場合にはアレルギーの有無やその原因をしっかり検査してもらい、それに合ったフードを与えてあげる
- 愛犬の体調を見ながら、愛犬の体質に一番合うフードを選んであげる
ということです。つまり、バーニーズだからこのフードと決めつけるわけではなく、愛犬の体質に合う高品質のフードを選んであげることが大切です。

バーニーズ・マウンテン・ドッグのドッグフード選びのポイントは理解できましたか?犬種専用フードがなくても、お家のバーニーズに最適なフードを選んであげることはできます。
この記事を参考に、愛犬にとって一番のフードを選んであげてくださいね!