ビションフリーゼのドッグフードはいらない!?獣医師がすべて解説!

ビションフリーゼって犬種専用フードがないんだけれど、その場合ってどんなフードをあげたらいいんですか?犬種専用フードがあれば安心して選べるのに……。

ビションフリーゼも人気の高い犬種だけど、トイプードルやミニチュアダックスに比べるとマイナーな犬種だから、今のところ市販の犬種専用フードはないみたいだね。でも、犬種専用フードがあればそれで安心ということではないし、犬種専用フードがなくてもいいフードはたくさんあるからね。

そうなんですね!でも、ドッグフードがたくさんありすぎて、どのフードを与えたらいいか悩んでしまって……。ビションフリーゼのフードって選び方ってあるんですか?

ビションフリーゼは特別体質が弱いということはないけれど、膝蓋骨脱臼や尿石症、耳や皮膚の病気が比較的多い犬種になるね。だから、そういった病気を予防できるように考えたフードがおすすめかな。例えば膝蓋骨脱臼なら、太りにくい低カロリーフードや関節をサポートしてくれる成分が多いフードがおすすめだよ。

なるほど。犬種専用フードがない場合は、ビションフリーゼがなりやすい病気を予防できるフードを探してあげる必要があるんですね。

そうだね。ただ、ビションだからこれと決めつけてしまうのも実はよくないんだね。日本人がみんな同じ体質でないのと同じように、ビションフリーゼにもそれぞれの体質があるからね。難しいけれど、愛犬の体質を考えたうえで、その体質に合うフードを選ぶことが大切なんだ。
ふわふわでボリュームのある毛が特徴的なビションフリーゼ。個性的な外見で、日本でもじわじわ人気が高まっている犬種ですが、犬種専用フードは存在しません。
そんなビションフリーゼにはどんなフードを与えたらいいのでしょうか?今回は、ビションフリーゼの好発疾患や体質などとともに、フード選びで気を付ける点やフードの量などを解説します。
もくじ
ビションフリーゼのフード選び4つのポイント
犬種専用フードのないビションフリーゼには、以下のようなポイントに気を付けてフードを選んでみましょう。
関節をサポート
ビションフリーゼに多い膝蓋骨脱臼は、小型犬に多く、膝のお皿が外れてしまう病気です。膝のお皿が外れることで軟骨が傷つき、膝の痛みやびっこが出てきてしまいます。
関節をサポートしてくれる成分がフードに入っていると、膝蓋骨脱臼を起こしやすい子でも症状が出にくくすることができます。そのため、軟骨成分をサポートするグルコサミンやコンドロイチン、炎症を抑えるDHAやEPAなどを含むフードがおすすめです。
カロリーが低い
肥満はさまざまな病気のリスクを増やしますが、ビションフリーゼが弱い膝への負担も増やしてしまいます。肥満は膝以外の関節の負担や、糖尿病などの病気のリスクも高くなってしまうため、できるだけ太らせないことも大切です。
そこでビションフリーゼには、低カロリーフードを与えることをおすすめします。食物繊維が多く含まれるようなフードは、カロリーが低くても満腹感をある程度保ってくれるため、体重を増やさないためにはおすすめですね。
膀胱結石を作りにくい
ビションフリーゼにもう一つの病気が「膀胱結石」です。膀胱結石は名前の通り膀胱内に石ができてしまう病気であり、もともとの体質とフードや飲み水に含まれるミネラル成分が原因でできてしまうと言われています。
膀胱結石にはいくつかの種類があり、その種類によってどのようなフードを食べた方がいいのかは決まりますが、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が極端に多いフードや骨などミネラルが多く含まれるおやつは注意が必要です。
気になる人は動物病院で尿検査をしてもらい、もし結石の成分(結晶)が出ていたり、すでに結石がある場合には、療法食を食べるようにしましょう。特に今現在結石の成分が出ていない場合には、ミネラルバランスがしっかり取れているフードを選ぶようにしましょう。
皮膚に優しい
ビションフリーゼには皮膚疾患が多いため、皮膚のことを考えたフードもおすすめです。耳も皮膚の一部であり、外耳炎の犬にも皮膚に優しいフードを与えてあげるといいでしょう。
皮膚病はさまざまなタイプがありますが、アレルギーになりやすい成分を含んでいたり、添加物が多いフードはあまりよくありません。また、DHAやEPAなどのω脂肪酸やビタミンBやEなどのビタミン類は、皮膚のコンディションを整えるためには大切な成分です。
ビションフリーゼに与えるフードで気を付ける点のまとめ
目的 | 強化されている成分 |
関節をサポート | グルコサミン・コンドロイチン・ω3脂肪酸(DHA・EPA) |
太りにくい | 低カロリー・高食物繊維 |
結石になりにくい | ミネラルバランス |
皮膚に優しい | 低アレルゲン・ω3脂肪酸・ビタミンB/E・無添加など |
ビションフリーゼの食餌量の目安とドッグフードのサイズ
ビションフリーゼの体格は個体差が比較的大きく、小さい子では3㎏、大きい子では10㎏近くになることもあります。犬に必要なフードの量は、体重とフードに含まれるカロリー数によって決まってきます。以下に体重ごとのフードの量の目安を載せておきますので、参考にしてみてくださいね。
ビションフリーゼの食餌量の目安(避妊/去勢済、健康な成犬)
体重 | 1日に必要なカロリー | 300kcal/100gのフード | 350kcal/100gのフード | ||
1日のフード | 1ヶ月のフード | 1日のフード | 1ヶ月のフード | ||
3kg | 255kcal | 85g | 2,550g | 73g | 2,190g |
5kg | 374kcal | 125g | 3,740g | 107g | 3,210g |
7kg | 482kcal | 161g | 4,820g | 138g | 4,140g |
9kg | 582kcal | 194g | 5,820g | 166g | 4,990g |
この表の体重は、現在の体重ではなく理想体重です。太り気味の子ややせ気味の子ではBCS(ボディコンディションスコア)などを目安に、標準体重を推測して、この表にあてはめてください。
また、同じ量を食べていても体質的に太りやすい子や太りにくい子がいますので、時々体重の増減をチェックしたうえで、フードの量が適切なのかの判断をしてください。それから、避妊去勢していない子では少し多め、高齢の子では少し少なめにするとちょうどいいことが多いです。愛犬の状態によってもフードの量を調節してあげてくださいね。
ビションフリーゼのドッグフードサイズ
ビションフリーゼにはどのくらいのサイズのドッグフードを買ってあげたらいいのでしょうか?
フードの量の目安は、1か月で食べきれる量です。フードにはそれぞれ消費期限が設けてありますが、1度開封すると酸化がどんどん進んでしまいますので、消費期限内でも品質が悪化してしまいます。酸化による品質の低下は味や風味を落としたり、成分の変化などを起こすことがあるため、開封1か月を目安に使い切りましょう。
上の表を見てみると、大きな子でも1か月に必要なフード量は5㎏程度であり、ビションフリーゼには基本的には3~4㎏程度のフードを選んであげるようにしましょう。小さい子であれば、2㎏以下じゃないと1か月に食べきれないということもあります。10㎏近くになる大きめのビションフリーゼでは5㎏のフードでもいいですが、必ず1か月で食べきれるサイズを購入しするようにしましょう!
ビションフリーゼには愛犬の体質に合ったドッグフードを選ぼう
ビションフリーゼは、解説したように犬種としての特徴があり、その特徴を考えたフード選びをすることは大切です。しかし、犬種だけではなく、愛犬自身の体質もしっかり考えてあげないとフード選びは失敗します。
- 必要な栄養がしっかり取れる(AAFCO基準を満たすなど)
- ミネラルなどが過不足なく、しっかりバランスが取れている
- フードだけでなく、おやつのミネラルやカロリーもしっかり考える
- 愛犬の体調を見ながら、与えているフードが合っているのかを見極めてあげる

ビションフリーゼのドッグフード選びのポイントは理解できましたか?犬種専用フードがなくても、愛犬の体質をしっかり理解することで、愛犬に合ったフードを選ぶことは可能です。
この記事を参考に、お家のビションフリーゼにベストなフードを選んであげましょう!