【ドッグフード】ミニチュアダックス用ってホントに必要?メリットとデメリット

ミニチュアダックス用のドッグフードってホントに必要なのかな?普通の小型犬用フードは合わないの?

そんなことはないよ。ミニチュアダックの子がミニチュアダックス用のフードを食べなければならない理由は特にはないよ。もちろん、ミニチュアダックス用のフードは犬種に特異的な病気を考えて作ってはあるけど、普通の小型犬用フードが悪いってことはないんだよ

そうなんだ。じゃあどうやってフードを選んでいけばいいかな?

大切なのは、愛犬の体質や体調をしっかりと見極めて、信頼できるフードを選んであげることかな。ミニチュアダックスだからこのフードというわけでなく、うちの子はここが弱いからこのフードがいいという感じで、愛犬の状態にあったご飯を選べるといいよね。
ペットフードの選択肢の幅が広がり、どのフードを選んだらいいかわからない飼い主さんも多いと思います。そんな時、愛犬の犬種である「ミニチュアダックス用」があったらほしくなる気持ちはわかります。しかし、本当にミニチュアダックス用だからという理由だけでフードを選んでもいいのでしょうか?また、ミニチュアダックスよりもさらに小さいカニヘンダックスの場合はどうでしょうか?
今回は、ミニチュアダックス用のフードについて考えてみましょう。
もくじ
ミニチュアダックスの食餌で気を付ける点とミニチュアダックス用フードの特徴
ミニチュアダックスフントは、背中や腰の椎間板ヘルニアが多いことで有名であり、その負担を減らしたり、病気の予防によい成分を含む食餌を与えることも大切です。そんなミニチュアダックスフンドにフードを与える際の注意点と、ミニチュアダックスフンド用の食餌の特徴を見ていきましょう。
肥満にさせない
ミニチュアダックスフンドは食欲が旺盛な子が多く、ついつい与えすぎてしまって肥満になりやすいです。足が短く胴が長い独特の体型をしたミニチュアダックスは、関節が弱く、肥満になってしまうと椎間板ヘルニアを含めた関節の病気のリスクが高くなってしまいます。
そのため、肥満にさせないことが大切であり、ミニチュアダックス用のフードは低カロリーだったり食物繊維が強化してあるものが多いです。
肥満対策には、カロリーをしっかり計算してフードを与えすぎないようにすることともに、おやつのあげ過ぎに注意したり人のご飯を与えないも大切です。もし肥満になってしまった場合は、ダイエットに良い原料用フードに変えていった方がいいでしょう。
関節軟骨の健康を保つ
椎間板ヘルニアや関節炎などの予防には、体重管理のほかに、関節の再生を促してくれる成分をとることも大切です。
グルコサミンやコンドロイチンなどは椎間板や全身の関節にある関節軟骨の成分であり、これらの成分を積極的に取ることで関節の健康を維持することができます。また、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸も抗炎症作用がありますので、これらの成分がミニチュアダックス用のフードに多く含まれています。
ただし、重度の椎間板ヘルニアでは薬や手術などでの治療が必要ですし、サプリメントなどでグルコサミンやコンドロイチンを積極的に取った方が関節の健康のためにはいいでしょう。
歯周病の予防
ミニチュアダックスは嗜好や歯石による歯周病が非常に多い犬種です。
フードを食べた後に歯磨きなどをしないと、食べかすが歯垢に代わり、それが固まって歯石ができてしまいます。歯石は単なる石ではなく、ばい菌を大量に含んでいるため、歯垢や歯石が溜まった状態が続くとその周りに歯周病ができてしまいます。歯周病や歯のぐらつきや口臭の原因になるだけでなく、歯の奥が膿んで腫れてしまったり、全身へ歯周病菌が回って心不全や腎不全の原因になってしまいます。
ミニチュアダックス用のフードにも歯垢や歯石が溜まりにくくなるような工夫がなされていますが、一番効果的なのは歯磨きになります。ミニチュアダックスの飼い主さんは小さいころから歯磨きの癖をつけるようにしておくといいでしょう。
免疫をサポート
ミニチュアダックスには、免疫がらみの病気が多く発生します。免疫の暴走によって体の中で炎症が起き、貧血や関節炎、発熱などが起きてしまうことがあります。
ミニチュアダックス用のフードには、免疫の暴走を抑える抗炎症作用を持つオメガ3脂肪酸や酵母エキス、各種ビタミンなどが含まれていることが多いです。
免疫サポートのためには、しっかり栄養バランスのとれた食事をすることが重要です。また、いろいろな種類のものを食べさせると免疫反応を助長させてしまうことがあるので、おやつを日替わりで変えたりするのも良くないですよ。
ミニチュアダックスのフードに多い特徴
目的 | 強化されている成分 |
肥満の予防 | 低カロリー、食物繊維など |
軟骨や関節の健康 | グルコサミン、コンドロイチン、オメガ3脂肪酸など |
歯周病の予防 | クレンジング成分、フードの形状など |
免疫サポート | オメガ3脂肪酸、酵母エキス、各種ビタミンなど |
ミニチュアダックスの食餌量の目安とフードのサイズ
ミニチュアダックスの体格の幅は広く、3㎏弱の小さい子から7㎏くらいの大きめの子まで大きさはさまざまです。1日に必要なカロリーも1日当たり255kcal~482kcalと幅は広いです。また、ミニチュアダックスより小さいカニヘンダックスでは2㎏台の子もいます。
100gあたり350kcalのフードを食べている場合、3kgの子で1日85g程度、1か月2,190gになります。7㎏の子では1か月で4㎏程度のフードを食べる計算になります。一方で、カニヘンダックスの場合は1か月の食餌量は2㎏以下であることもあります。
ミニチュアダックスフンドの食事量の目安(避妊/去勢済、健康な成犬)
体重 | 必要カロリー | 300kcal/100gのフード | 350kcal/100gのフード | ||
1日のフード | 1ヶ月のフード | 1日のフード | 1ヶ月のフード | ||
2.5kg | 223kcal | 74g | 2,230g | 63g | 1,910g |
3kg | 255kcal | 85g | 2,550g | 73g | 2,190g |
4kg | 317kcal | 106g | 3,170g | 91g | 2,730g |
5kg | 374kcal | 125g | 3,740g | 107g | 3,210g |
6kg | 429kcal | 143g | 4,290g | 123g | 3,690g |
7㎏ | 482kcal | 161g | 4,820g | 138g | 4,140g |
ドッグフードは、開封直後が最も風味と品質が良く、徐々に劣化してしまいます。ドッグフードは、賞味期限内でも開封後にはできる限り1か月以内に食べきった方がいいと言われています。ミニチュアダックスを飼っている場合は、大きくても3㎏サイズのフードにしておくといいでしょう。カニヘンダックスの場合は2㎏以下の小さめサイズのフードの方がいいですね。
ミニチュアダックス用フードにこだわらず愛犬の体質に合ったフードを選ぼう
では、ミニチュアダックス用のフードは本当に必要なのでしょうか?
ミニチュアダックス用のフードを食べさせることは悪いことではありませんが、以下の点に注意が必要です。
- ミニチュアダックス用フードがすべてのミニチュアダックスの体質に合うとは限らない
(たとえば、ミニチュアダックス用のフードでも食物アレルギーを起こすことがあります) - 体の弱い部分は同じミニチュアダックスでも違う
- ミニチュアダックス用のフードを食べていれば、病気の心配がないというわけではない
ミニチュアダックスのフードを考える場合に大切なののは、
- AAFCO基準を満たすなど栄養のバランスがしっかり考えられている
- 関節や腰の負担にならないよう、肥満予防ができるようにフードの量を気を付ける
- 食物アレルギーを起こさないなど、愛犬に合ったフードを選ぶ
- 足腰に問題のある子では適切な治療をし、必要があればサプリメントも与える
ということです。
フードを選ぶ際には、ミニチュアダックス用のフードに限らず、愛犬に合ったフードを食べさせてあげることが重要です。そのためには、愛犬の体質や体調をしっかり観察して、どのような病気のリスクがあるのか、どんなことを気を付けてあげればいいのかを理解したうえでフードを選ぶようにしたいですね。