【ドッグフード】柴犬の専用フードは本当に必要!?

柴犬用のドッグフードってホントに必要なのかな?
他のフードと何か違いはあるの?

今は柴犬専用のドッグフードも多く出てるし、柴犬なら柴犬専用フードが良いって思っちゃうよね。
でも、特に柴犬だからって言って特別何か違ったフードを食べさせる必要はないよ。他の犬とは見た目が大きく違っても、必要な栄養成分は大きくは変わらないからね。

そっか、でもドッグフードっていっぱいあるからどれ選んだらわかんないんだよね。

柴犬は皮膚やお腹が弱かったり、痴呆症も多いから、そのあたりを考えてドッグフードを選んでおくといいかもしれないね。特にアレルギーには注意が必要だからアレルギーに配慮してあるドッグフードもいいかもしれないね。
ふさふさの毛とキラキラした目がかわいい柴犬は、他の洋犬と外見が大きく異なります。でも、中身は同じ犬であり、特別柴犬用のフードを食べなければならないわけじゃないんです。大切なのは、柴犬に多いいくつかの病気を知っておき、その知識をしっかり持ち意識しながらドッグフードを選んであげることが大切です。
今回は、柴犬のドッグフードについて考えてみましょう。
もくじ
柴犬用ドッグフードの特徴と食事で気を付けるポイント
柴犬は、アレルギーなどの皮膚病が多く、高齢になると痴呆症も多く出てきます。これらの病気は、ドッグフードの原料や栄養成分を考えることで予防することも可能です。また、お腹が弱い子や太りやすい子も多いので、ドッグフードを選ぶ際にはそれらのことも気を付けて与える必要があります。柴犬の食餌で気を付けるポイントを見て行きましょう。
皮膚・被毛の健康を保つ
ふさふさな毛が特徴の柴犬ですが、非常に皮膚病の多い犬種になります。特にアレルギー性皮膚炎は多く、アレルギーに悩む柴犬も多いです。アレルギーの原因物質はそれぞれの犬で違うため、すべての柴犬に合うアレルギーフードというのはありません。
柴犬用ドッグフードでは、オメガ3脂肪酸のように炎症を起こしにくくする成分やリノール酸、パントテン酸、ナイアシン、カモミールなど皮膚や被毛の健康を保つための成分が多く含まれています。アレルギーがある子では、アレルギー検査をしてそれに合ったドッグフードを与えることも大切ですね。
痴呆の予防
柴犬を含む日本犬で多いのが痴呆症です。夜中の無駄鳴きや徘徊行動などの痴呆症状は、高齢の柴犬で非常に多くなります。
なぜ日本犬に痴呆が多いのかは、さまざまなことが考えられていますが、DHAなどのオメガ脂肪酸にあるのではないかと考えられています。もともと欧米に比べて魚を多く食べていた日本の犬は、抗酸化(アンチエイジング)作用のあるDHAなどのオメガ3脂肪酸をたくさん取る食生活をしていました。それが、欧米と同じようなドッグフードになったことで、オメガ3脂肪酸の摂取量が減って痴呆になる犬が増えたのではないかと言われています。
そのため、柴犬用ドッグフードには痴呆を防止できるようDHCなどのオメガ3脂肪酸やビタミンEなど抗酸化物質がたくさん含まれています。オメガ3脂肪酸は皮膚や被毛の健康にも大切なので、柴犬には積極的に取らせてあげるといいですよ。
胃腸の健康
柴犬の中には、胃腸が弱い子も多いんです。原因は定かではありませんが、定期的に下痢をしたり、慢性腸炎を起こす柴犬をしばしば見かけます。中には免疫が関わる重度の胃腸炎を持っている子もいます。そのため、柴犬ではドッグフードをあまりコロコロ変えない方がいいでしょう。
また、柴犬用フードには食物繊維のほかに、ビール酵母やオリゴ糖など腸内環境を整える成分が多く入っていることもあります。ビオフェルミンなどのサプリメントをご飯に混ぜるのもいいですね。
肥満の防止
柴犬で多い問題の1つが肥満です。丸々と太ってしまった柴犬を見る機会も非常に多いです。柴犬が特に肥満になりやすいという体質ではなく、おそらくは飼い主さんがおやつなどをあげ過ぎていることが原因だと思われます。
柴犬のフードには繊維質が多く含まれ、満腹感をできるだけ強く感じるように工夫してあるフードもありますが、おやつをたくさん与える癖はつけない方がいいでしょう。
柴犬用のドッグフードに多い特徴
目的 | 強化されている成分 |
皮膚・被毛の健康 | オメガ3脂肪酸、リノール酸、パントテン酸、カモミールなど |
痴呆の予防 | オメガ3脂肪酸、ビタミンEなど |
胃腸の健康 | 食物繊維、ビール酵母、オリゴ糖など |
肥満の予防 | 食物繊維など |
柴犬の食事量の目安とフードのサイズ
最近では、小型の「豆柴」も人気があり、同じ柴犬でも体格には大きな差があります。柴犬の標準体重というものはなく、太っていなくても5~10㎏と体重には大きなばらつきがあります。その場合、1日に必要なカロリーは、374kcal~630kcal必要となります。
100g中に350kcal含まれるドッグフードを与えている場合、5kgの子では1日107g、10kgの子だと1日180g程度必要になります。体重ごとの目安のカロリー数とドッグフードの量は以下の表のとおりです。
柴犬の食事量の目安(避妊/去勢済、健康な成犬)
体重 | 必要カロリー | 300kcal/100gのフード | 350kcal/100gのフード | ||
---|---|---|---|---|---|
1日のフード | 1ヶ月のフード | 1日のフード | 1ヶ月のフード | ||
5kg | 374kcal | 125g | 3,740g | 107g | 3,210g |
6kg | 429kcal | 143g | 4,290g | 123g | 3,690g |
7㎏ | 482kcal | 161g | 4,820g | 138g | 4,140g |
8kg | 533kcal | 178g | 5,330g | 152g | 4,560g |
9kg | 582kcal | 194g | 5,820g | 166g | 4,980g |
10kg | 630kcal | 210g | 6,300g | 180g | 5,400g |
この表を見ると、小さな柴犬で1か月3㎏強、大きな柴犬で1か月5㎏強のフードを食べることがわかります。ドッグフードは一旦封を開けるとどんどん酸化が進み、賞味期限内でも成分の変化と味の劣化が起こってしまいます。
そのため、できれば開封して1ヶ月以内に使い切る量を買うことがすすめられています。小さな柴犬では3㎏、大きな柴犬でも5㎏程度のフードにしておくといいでしょう。
柴犬専用にこだわらず愛犬の体質に合ったドッグフードを選ぼう
結局のところ、柴犬用のフードの必要性はどれほどあるのでしょうか?柴犬専用のフードは悪いことはありませんが、それを食べている人は以下の3点を理解しておきましょう。
- 柴犬によってアレルギーの原因は違う
(柴専用のドッグフードを食べていても、アレルギーが起こる可能性は低くできない) - 柴犬用フードに入っている皮膚病や痴呆の予防のための成分は、病気の予防に十分な量かどうか不明
- 柴用のフードを食べていても下痢や肥満のリスクはある
つまり、柴犬専用のフードが絶対に必要というわけではないですし、柴犬に多い病気を予防するよう考えられてはいますが、病気の予防に十分かどうかも不明であるということです。柴犬の飼い主さんは、柴犬専用フードに限らず、以下の点に注意してフードを与えるようにしましょう。
- AAFCO基準を満たすなど栄養のバランスがしっかりしているドッグフードを選ぶ
- 愛犬に皮膚病が出た場合は、しっかり検査をしてもらい、食物アレルギーが原因であれば柴犬用ではなく愛犬に合ったドッグフードを与える
- 肥満にならないよう、ドッグフードの量をしっかり測って与えるとともに、おやつをたくさん与える癖をつけない
- 皮膚病・痴呆・下痢気味など体に弱い部分があったら、それに合う栄養成分をサプリメントなどでしっかり補う
ということです。つまり、大切なのは、柴犬用のフードを食べるだけでなく、愛犬の体調に合ったドッグフードを与えることなんです。
【ドッグフードの選び方】獣医師が教える基本の4ポイントで詳しく解説していますが、大切なのは、栄養バランスの良いフードを過不足なく与え、柴犬用にこだわらず、愛犬自身に合うドッグフードを見つけてあげることなんですよ。