【ドッグフード】トイプードル用ってホントに必要?メリットとデメリット

トイプードル用のドッグフードってホントに必要なのかな?

トイプードルにはトイプードル用のフードが絶対にオススメってわけじゃないよ。大型犬と小型犬では栄養のバランスやフードの粒の大きさはかなり違うけど、トイプードル用と他の小型犬用では特に大きな違いはないんだよ。

そうなんだ。じゃあフードってどう選んだらいいのかな。

大切なのは品質が良く信頼できるフードを選ぶことだね。また、せっかくいいフードを選んでも、フードの量をしっかりしていないと意味がないし、おやつを与えすぎてもいけないよね。それから、同じトイプードルでも体質は違うから、愛犬の体調に合った食餌や必要があればサプリメントを与える方がいいんじゃないかな。トイプードル用のフードがすべてのトイプードルに合うご飯というわけじゃないからね。
最近のドッグフードは、子犬用/成犬用、小型犬用/大型犬用などざっくりとした分類だけではなく、各犬種用のフードもいろいろと販売されています。これらのフード本当に必要なのでしょうか?
今回はトイプードル用フードについて考えてみましょう。
もくじ
食餌で気を付ける点とトイプードルのドッグフードの特徴
トイプードルの食餌を与える場合は、トイプードルのきれいな被毛を保つための工夫や、トイプードルによく発生する膝蓋骨脱臼や歯周病の予防をすることが大切になります。具体的に気を付けるべき点と、トイプードルのドッグフードの特徴を合わせて見て行きましょう。
被毛の健康を保つ
カールした柔らかい毛はトイプードルの特徴であり、人気の理由でもあります。そのため、トイプードルの食餌には、被毛の健康を保つための成分が多く含まれています。
トイプードルのドッグフードによく含まれるのは、オメガ3脂肪酸や植物性の脂、各種ビタミンになります。ただし、これらの成分は多くとればとるほどいいというわけではなく、他の栄養素とバランスが取れていることが重要です。健康な被毛のためにはトイプードル用かどうかにかかわらず高品質なフードを選ぶのがポイントです。
軟骨の健康を保つ
トイプードルに非常に多い病気が膝蓋骨脱臼です。これは膝のお皿が正常な位置から外れてしまう病気であり、若いうちから発症することの多い、トイプードルの代表的な病気の一つです。
膝蓋骨脱臼は、重症度によって症状の強さや治療法は変わってきますが、膝のお皿が脱臼することで軟骨が傷ついて関節炎や痛みを併発してしまいます。そこで、軟骨の健康を保つように、「グルコサミン」や「コンドロイチン」などの軟骨成分を補給することが勧められています。また、椎間板ヘルニアもトイプードルには比較的多い病気ですが、椎間板ヘルニアの予防にもグルコサミンやコンドロイチンなどの成分はある程度の効果が期待されています。
トイプードルのドッグフードにはグルコサミンやコンドロイチンなどが強化されていることも多いですが、実際に発症してしまった場合には薬やサプリメントでしっかり治療することが大切です。
歯周病の予防
トイプードルにもう一つ多い病気が歯周病です。歯磨きをしない犬では歯石が付きやすくなりますが、歯石は単なる石ではなく、その中には大量のばい菌が含まれます。この菌が歯周病を起こすとともに強烈な口臭の原因となります。歯周病菌は、血液中に入って全身に回り、心臓や腎臓のダメージを引き起こすこともあると言われています。
トイプードルのドッグフードには歯石が付きにくいように、歯垢を落としたり、抗菌作用のある成分が含まれていることも多いです。ただし、もっとも歯周病の予防に効果があるのは歯磨きですので、お家でしっかり歯磨きをできるようにしておきましょう!
白内障の予防
他の犬種に比べると、トイプードルは若いうちから出て来る「若年性白内障」と言われる白内障が多く発生します。
トイプードルのドッグフードには「アントシアニン」と言われる抗酸化物質が含まれていることが多いですが、このアントシアニンはブルーベリーなどに含まれる、目に良いと言われる成分になります。この成分が水晶体の変性を防ぎ、白内障の発生を予防すると言われています。ただし、アントシアニンに犬の若年性白内障の予防効果があるかどうかを実証したデータはなく、どの程度有効なのかは不明です。
アントシアニンは白内障を治せる成分ではありませんので、気になる目の症状があれば早めに動物病院で診てもらった方がいいでしょう。
筋肉の健康を保つ
トイプードルは膝蓋骨脱臼などによって後ろ足の筋肉が弱くなってしまうことも多いです。そのため、筋肉量を落とさないようにたんぱく質を多く含むように作られてるトイプードル用フードが多いです。
トイプードルのドッグフードに多い特徴
目的 | 強化されている成分 |
被毛の健康 | オメガ3脂肪酸、植物性油、各種ビタミンなど |
軟骨や関節の健康 | グルコサミン、コンドロイチン、オメガ3脂肪酸など |
歯周病の予防 | クレンジング成分、フードの形状など |
白内障の予防 | アントシアニン |
筋肉の増強 | たんぱく質 |
トイプードルの食事量の目安とフードのサイズ
同じトイプードルでも体格に差があるため、トイプードルの標準体重というものはありませんが、だいたい2~4kgくらいになることが多いです。その場合、1日当たり188kcal~317kcal必要となります。
100g中に350kcal含まれるフードの場合、2kgの子では1日54g、4kgの子1日91g程度必要になります。以下の表を参考にしてもらえるとわかりますが、3㎏のフードだと、食べきるのに1か月以上かかってしまいます。
トイプードルの食事量の目安(避妊/去勢済、健康な成犬)
体重 | 必要カロリー | 300kcal/100gのフード | 350kcal/100gのフード | ||
1日のフード | 1ヶ月のフード | 1日のフード | 1ヶ月のフード | ||
2kg | 188kcal | 69g | 1,880g | 54g | 1,620g |
2.5kg | 233kcal | 78g | 2,330g | 67g | 2,010g |
3㎏ | 255kcal | 85g | 2,550g | 73g | 2,190g |
3.5kg | 287kcal | 96g | 2,870g | 82g | 2,460g |
4kg | 317kcal | 106g | 3,170g | 91g | 2,730g |
ドッグフードは開封後にどんどん酸化するので、時間がたてばたつほど成分が変性して味も落ちてしまいます。賞味期限内でも傷んでしまいますので、できれば開封して1ヶ月以内に使い切る量を買うようにしましょう。体の小さいトイプードルの子では1~2㎏のフードにした方がいいかもしれませんね。
トイプードル専用にこだわらず愛犬の体質に合ったドッグフードを選ぼう
では、トイプードルの専用ドッグフードは本当に必要なのでしょうか?トイプードルの専用フードを食べている人が注意しておくべきことは、以下の3点です。
- すべてのトイプードルに合うとは限らない
(食物アレルギーの原因はトイプードルで共通というわけではありません) - すべての子が同じ病気を発症しやすいとは限らない
- トイプードル用のフードを食べていれば病気が心配いらないというわけではない
トイプードル用のフードを食べていれば安心ということではないんですね。大切なのは、
- AAFCO基準を満たすなど栄養のバランスがしっかりしているフードを選ぶ
- 栄養を過不足なくとる(カロリーオーバーやカロリー不足を起こさない)
- 被毛の健康を保つための成分をしっかり含む高品質のフードを選ぶ
- 体に弱い部分があったら、それに合う栄養成分をしっかりとる(サプリメントなど)
ということです。つまり、トイプードル用のフードは、トイプードルの体の特徴に合った成分を含んだご飯ではありますが、それが必ずしも必要というわけではありません。
【ドッグフードの選び方】獣医師が教える基本の4ポイントで詳しく書いていますが、大切なのは、栄養バランスの良いフードを過不足なく与え、トイプードル用にこだわらず、愛犬自身に合うドッグフードを見つけてあげることなんですね。