ラブラドールレトリーバーのドッグフードは必要ない?選ぶポイント4選を獣医師が回答!

ラブラドールレトリーバー用のドッグフードは絶対に必要なのかな?ラブラドールには、犬種専用フードを与えるべきなんでしょうか?

最近はドッグフードの選択肢も増えてきて、犬種専用フードもあるから、迷ったら犬種専用にという飼い主さんも多いみたいだね。でも、犬種専用フードは絶対に必要なものではないんだ。しっかりと愛犬の特徴を理解して、それに合ったフードを選んであげれば、犬種専用フードにこだわる必要は一切ないよ。

そうなんですね。じゃあ、ラブラドール用のフードってどういったものなんですか?

ラブラドールレトリーバー用のフードは、ラブラドールに多い病気やラブラドールの体質を考えて成分を配合したフードなんだよ。ラブラドールは関節の病気が多かったり、太りやすかったりするから、そういった病気を予防するために関節に優しい成分を含んでいたり、太りにくいようになっていたりするんだよ。

なるほどー。じゃあラブラドール用のフードの方がいいんじゃないですか?

一概にそうとは言えないから気を付けてね。犬種専用フードはラブラドール全般の子とは考えられていても、その子その子の体質に関しては考えられていないからね。例えば、アレルギーの原因は犬によって違うから、ラブラドール用のフードを食べていても、皮膚炎や下痢が出てしまう子もいるからね。

なるほど。犬種専用フードは万能なわけじゃないんですね。

そう、その通りだね。わからないから犬種専用にしようということではなく、しっかり愛犬の体質も考えてフードを選んであげることが大切だね。
人気の大型犬種の代表、ラブラドールレトリーバー。おっとりした性格を持つ反面、元気いっぱいに力強く走り回るその姿は、見ていて飽きることはありません。
そんなラブラドールの元気の源はやはりフードです。フード選びに失敗すると、病気がちになってしまったり、関節を悪くしてしまったりして、元気に走り回れなくなる子もいます。そんなことのないよう、今回の記事を参考に、しっかりラブラドールのフードを選べるようにしてくださいね!
もくじ
ラブラドールレトリーバーの食餌で気を付ける点と特徴
まずは、ラブラドールレトリーバーのフード選びで気を付けておきたい4つのことを知っておきましょう。
太りにくい
ラブラドールレトリーバーは、大型犬の中では非常に太りやすい犬種です。実際にイギリスのケンブリッジ大学の研究により、「ラブラドールレトリーバーには、食後の満腹感を感じにくくなるような遺伝子の変異を起こしている個体が多い」ということがわかってきました。
肥満は関節への負担や糖尿病など内臓の病気のリスクを増やしてしまいます。そこで、ラブラドールのフードには低カロリーで満腹感を感じやすい高繊維のフードがおすすめされています。フードだけでなくおやつなどにもしっかり気を付けるようにしましょう。
関節をサポート
ラブラドールには、股関節や腰など関節の病気が多く発生します。関節の病気があると、痛みによって元気に走り回れなくなったり、運動不足になってしまい、余計に太りやすくもなります。
関節を保護するためには体重管理も大切ですが、関節に優しい成分を含んだフードを与えてあげることも大切です。DHAやEPAなどの間接の炎症を予防するような成分や、コンドロイチンやグルコサミンなど関節軟骨を保護する成分などが含まれているフードがおすすめですね。
筋肉を維持
ラブラドールレトリーバーの大きな体を支えるためには、しっかりした筋肉が必要になります。筋肉が落ちてしまうと、運動能力も落ちますし、代謝も落ちるために、さらに太りやすくもなります。
筋肉の維持に大切なのが、適度な運動と高品質なたんぱく質です。そのため、ラブラドールを飼っている方は、高品質なたんぱく質が含まれているフードを選ぶようにしましょう。
一気食いをしにくい
ラブラドールレトリーバーを含めた大型犬は、ドッグフードを一気にがつがつと食べてしまう子が多いです。一気食いをすると、胃拡張から胃捻転のリスクを高めたり、消化不良の原因にもなります。また、よく噛まないことで歯や歯茎の健康にもマイナスになります。
そこで、ラブラドールレトリーバー用のフードは大きさや形などを工夫してよく噛んで食べるようになっているフードも多いです。成分だけでなく、形状にも注意をしてあげられるといいですね。
ラブラドールレトリーバー専用ドッグフードに多い特徴
目的 | 強化されている成分 |
太りにくい | 低カロリー、食物繊維 |
関節のサポート | ω3脂肪酸(EPA・DHA)、グルコサミン、コンドロイチンなど |
筋肉の維持 | 高品質なたんぱく質 |
一気食いをしにくい | フードの形状 |
ラブラドールの食餌量の目安とドッグフードのサイズ
ラブラドールレトリーバーは骨格の大きさの違いに伴い、標準体重もある程度個体差があります。小さい子では25㎏、大きい子では標準体重で35㎏程度になります。
以下に体重当たりのフードの量の目安を載せましたので参考にしてみてください。
ラブラドールの食餌量の目安(避妊/去勢済、健康な成犬)
体重 | 1日に必要カロリー | 300kcal/100gのドッグフード | 400kcal/100gのドッグフード | ||
---|---|---|---|---|---|
1日のフード量 | 1ヶ月のフード量 | 1日のフード量 | 1ヶ月のフード量 | ||
25kg | 1250kcal | 420g | 12.5㎏ | 310g | 9.4㎏ |
27.5kg | 1350kcal | 450g | 13.5㎏ | 340g | 10.1kg |
30㎏ | 1440kcal | 480g | 14.4㎏ | 360g | 10.8kg |
32.5kg | 1530kcal | 510g | 15.3kg | 380g | 11.5kg |
35kg | 1600kcal | 530g | 16kg | 400g | 12kg |
この表の体重はあくまで標準体重です。痩せ型もしくは太っている犬の場合は、BCS(ボディコンディションスコア)を基に、標準体重がどれくらいなのかを考えて、その体重に合わせてフードを与えてあげてください。
また、体質によって太りやすい犬とそうでない犬がいます。この表はあくまで目安にし、この量を与えていても太ってくる場合ややせて来る場合には、フードの量を10~20%程度増減しながら体重を観察していってくださいね。
ラブラドールレトリーバーのフードサイズ
ラブラドールレトリーバーに与える1日のフード量の目安がわかったら、次にどのくらいのサイズのフードを買えばいいか考えてみましょう。
体重やフードに含まれるカロリー数によって違いますが、ラブラドールには1月当たり10㎏~16㎏のフードが必要になります。ドッグフードには消費期限がありますが、消費期限内でも開封した後には酸化による品質の劣化がすぐに始まってくることがわかっています。
そのため、できる限り1ヶ月で使い切るサイズのフードを購入するようにしてください。つまり、10㎏以下のサイズ、大きな子でも15kg程度のサイズのフードを選ぶようにするといいですね!
ラブラドールレトリーバー専用にこだわらず愛犬の体質に合ったドッグフードを選ぼう
以上、ラブラドールレトリーバーの体調とフードの特徴をお話させていただきました。ラブラドールレトリーバー専用フードは、ラブラドールの弱い面を考えて作られたフードではありますが、万能なフードではありません。犬種専用フードを食べさせている人は、以下のような点に注意しましょう。
- ラブラドール専用フードを食べていても、太ってしまうことがある
- 愛犬の体調によってフードの目的を考えてあげる必要がある
- ラブラドール専用フードが、愛犬に一番合うフードとは限らない
- AAFCO基準を満たすなど、犬に必要な栄養バランスが取れている
- 肥満予防のためには、与えるフード量やおやつの量をしっかり気を付ける
- 健康的な関節や筋肉を維持するためには、適度な運動を心がける
- 愛犬の体調をしっかり観察し、体質に合っているのかどうかをチェックする

ラブラドールレトリーバーにどのようなフードを与えたらいいかおわかりになりましたか?犬種専用フードがすべてのラブラドールにベストな選択肢とは言えないので、以上にあげた注意点を守りつつ、愛犬に合うフードを見つけてあげましょう。
この記事を、お家のラブラドールちゃんに一番合うフード選びの助けにしてみてくださいね!